今月は姿勢についてのお話が続いていますが,今回は,歩いている時の姿勢についてです(^^)
歩幅が狭く,膝から下でちょこちょこと歩いている方を時々みかけます。
皆さんは,歩く時,猫背ですり足になっていたりすることはありませんか?
年齢に関係なく,ひざの違和感や猫背などの姿勢の悪さが気になるという方が多いようです。
そういう方は,もしかしたら股関節が硬くなっているかもしれません。
ひざや姿勢に,なぜ股関節が関係あるの?と思われるかもしれませんね。
そもそも,股関節ってどこにあって,どのような役割をしているのでしょうか?
股関節は,私たちの胴体と脚をつなぐ重要な関節です。
簡単に言うと,両脚の付け根にあって,骨盤の丸い穴にはまるような球形になっています。
ですので,曲げる・伸ばす・開く・閉じる・ねじるといった様々な動きが可能なのです。
私たちは,股関節のおかげで,体のバランスが保たれ,あらゆる動きができるといっても過言ではありません。
股関節によって上半身と下半身は連携し,体全体が安定します。
日常生活の基本動作「立つ」「座る」「歩く」そして「走る」のも,股関節のおかげでスムーズにできるのです。
この股関節は,使わないでいると,周辺の筋肉がこりかたまりって,動かしにくくなっていきます。
股関節がスムーズに動かなくなると,歩く時の歩幅が狭くなり,つまづきやすくなります。
また,歩く,立つ,座る,かがむなどの動作も,腰やひざなどで補いながら行うようになるので,
腰やひざの負担が増えていきます。
肩や腕など,上半身にも余計な力が入るようになるため,肩こりなども生じやすくなります。
ガニ股や内股になったり,背中が丸まって,下腹もぽこんと出てしまったり,姿勢も悪くなります。
血流も悪くなり,代謝も下がっていくので,体は重く疲れやすくなっていきます。
逆に言うと,股関節がかたくならないようにスムーズに動かしていけば,姿勢も良くなり,肩やひざ痛に
悩まされることもなく,代謝もよく疲れにくい元気な体でいられるということですね。
いつまでも若々しく元気で過ごしていけるように,まずは,股関節を意識することから始めてみましょう。
前々回にお話した重心,そして前回の座っている時の姿勢なども意識しながら,歩く時は姿勢よく,
地面をけりあげて歩幅も広く,しっかりと歩いていきましょう。
前に出す足はかかとから着地して,後ろの足は親指で地面をしっかりとけりだすように。
大きな動きで疲れてしまうように思われるかもしれませんが,股関節周辺の筋肉はもちろん,全身の筋肉を
たくさん使って歩くことで,疲れずに歩けるのです。
運動不足解消のために,エレベーターやエスカレーターを使わずに,階段を使うようにしているという方も
多いと思います。
階段を上る時は,背筋を伸ばして,脚の付け根から脚をしっかりと上げるように意識しましょう。
お教室でも,こりかたまった股関節周辺の筋肉をほぐすストレッチなどを行っていますが,
やはり,日常生活での積み重ねが大切です。
日頃から,自分の股関節に意識を向けて,しっかりと筋肉を使っていくことを心がけていきましょう♪