私達の体は,自分が食べたものでできているといいます。
確かに,その通りですよね。
でも,実際にこのことを意識して日々の食生活を送るというのは,なかなか難しいというのが
本音ではないでしょうか。
しかも,今,テレビや雑誌などで,「○○に効く!」といったうたい文句とともに,
実に様々な食材が紹介されています。
紹介されている通りに全て実践できたら,それは健康になるのかもしれませんが,
まず無理・・・ではないでしょうか。
ただでさえ溢れかえる情報の中,研究により「新たに発見された事実!」なんてことまでも
紹介されたら,いったいどれが何にいいのかなんて,分からなくなってしまいますよね。
こうした時代に,改めて大切にしたいと思うのが「身土不二(しんどふじ)」という考えです。
「身土不二」とは,もともとは,「身(今までの行為の結果)」と「土(環境)」は
切り離せないという意味の仏教用語だそうです。
日本では,明治・大正時代に,「食事で健康を養う」という理論が展開され,
「その土地,その季節ものを食べると体に良い」という考えが,仏教の教えと関連させて
一般に広められました。
私たちが生まれ育った場所には,天候,気温,土,水,風・・・と実に様々な特徴が,
それぞれにあります。
この特徴によって,生じやすい病気やその傾向と予防策などが生まれてきました。
それは,はるか昔から,その土地に生まれ育った人々が,実際の生活を通じて確立してきた
ものだといえます。
もちろん,土地とは関係なく,ひとりひとりの個別の体質というものはあります。
ですが,いくら「○○に良い」という食材でも,生まれてから一度も食べたことがないと
いうものは,やはり体にとっては「慣れてないもの」に違いありません。
健康関連の様々な情報がありますが,まずは,「生まれ育った土地のもの,季節の旬のものを
食す」ということを基本に考えてみてはいかがでしょうか。
土地や季節に関係なく,どこでも一年中あらゆるものが手に入る便利な時代に生きるからこそ,
この「身土不二」という考えを大切にしてきたいというのが,私の個人的な思いです=^_^=