皆さんは,自分の舌をよくみてみたことはありますか?
最近では,口腔ケアへの関心の高まりもあり,舌用の歯ブラシなども販売されていますので,
毎日チェックされているという方もいらっしゃると思います。
どちらかというと,口臭予防の観点から舌の状態を気にされる方が多いかもしれませんが,
東洋医学などでは,全身の健康状態の判断材料として,舌の状態をみます。
舌の色,表面の形状,舌苔(ぜったい)の状態によって,血液や体液,栄養,胃腸機能の
状態等が分かるそうです。
ただ,いくら舌の状態で全身の健康状態がわかると言っても,私たち素人には,細かい点の
判断は難しいものです。
そこで,皆さんにおススメなのが,毎朝,起床直後,朝食前に行う「舌磨き」です。
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは,前日の食事で未消化となったものが,
翌朝,白い苔のようになって舌を覆うと考えらえています。
この未消化となったものをそのままにして飲食をすると,バクテリアだらけの未消化物が
また体内へ戻ってしまいます。
ですので,朝は起きたらすぐ,朝食前に,歯磨きと舌磨きをして,口の中のバクテリアを
除去します。
また,舌磨きは内臓をマッサージをする効果があり,消化酵素の働きを高め,消化力を向上
させるとも言われています。
舌磨きをする際は,できれば,専用のタンスクレーバーを使い,なければスプーンで,
舌の奥から手前に優しくこするようにして白い苔を取り除きます。
この時,強くこすったり,何度も行うと,舌を傷つけてしまいますので,原則1日1回,
とにかく優しく行って下さい。
その後のうがいもしっかりと。
アーユルヴェーダでは,舌は全身の内臓を映す鏡のようなものと考えらえています。
私も日本とインドで,アーユルヴェーダの医師に舌と脈を診て頂き,健康状態はもちろん,
胃腸の状態や食生活の傾向までも次々と明らかにされて,「舌で,日常生活の送り方までも
分かってしまうのか!」と大変驚いた経験があります。
その時のインド人医師に,毎朝の舌磨きを勧められてから,すっかり習慣化してしまいました。
起床直後の舌に白い苔のようなものが多くみられる場合は,それだけ前日食べたものが消化
されていない,未消化のままの状態にあるということになります。
そうした状態は,単に食べ過ぎだけでなく,消化力も落ちていることを示しています。
口臭予防の為だけでなく,口中のバクテリア予防や自分の消化力の確認のために,
皆さんもぜひ舌磨きを日課にしてみて下さい☆