クラスではリスニングもやっていますが
大事にしているのは、音をそのまま聞いてもらうこと。
たとえば「water」。 「ウォーター」と、このカタカナままの音で聞こえたという人がいたら
それは思い込みです。
もしカタカナで書くとしたら「ワラ」。稲わらの「わら」の方が近いです。
もちろん、アメリカとイギリスとオーストラリア系などではそれぞれ微妙に違いますが
英語の「t」の音は、普通のスピードだと舌がなまけて「r」(または「d」)っぽい音に変わります。
さらに最後は「r」の発音で、口を中途半端にしてこもっていく音なので
日本語の、口をぱくっと開けたあ行の音に似るはずがないんです。
でも、英文を聞いて、ちょっと意味がわかって、あ、これ水のことかなと思った瞬間に
「ウォーター」と言う人が非常に多い。
だから逆に言えば聞いた音の意味がわからない。
頭の中の「お水=ウォーターの音」という(間違った)知識と、
耳が聴いた「ワラ」の音が結びつかないからでしょうね。
学校で習った音を引きずらず、自分の耳を信じてください。
思い込みを捨てて、聞いたままに発音した方が、絶対に通じる英語になります。
別に、きれいな「L」や「R」の発音が必要なわけではないんです。
「なんちゃって」で構わないので、聞こえた音やイントネーションをそのまま真似てみる。
通じる英語になる、大事なコツの1つだと思っています。
先日、旅行のクラスでリスニングをやった時、
「It looks~」という部分が「エロック」にしか聞こえない と言った生徒さんがいて
クラスみんなで「それすごい当たってるねー」と大笑いしたのですが
確かに「It」はほんとにいい加減に発音するので、日本語の「い」ほど口を横に引かず
「looks」は、始めが「L」なので「ウ」っぽく聞こえて
さらに「oo」の部分はのどの奥で鳴る「ウ」なので「オ」に近い音になります。
最後の「s」は音としては存在せず、ただ息の音で「ス」っぽく聞こえるだけ。
「エロック」という聞き取り&発音は、非常に正しい音のとらえ方だと思います。
「イットルックス」と言っているうちは、おそらく通じません。
というわけで、リスニングの時間は「なんて聞こえるでしょうかコーナー」と呼んでいます。
もちろん、意味がわかるためには語彙が必要になってきますが
「ウォーター」を「ワラ」と聞く&言うクセをまずつけないと
語彙が増えても聞けない&通じないということになってしまうので。
だからS&Sでは、「英語ほんっとにぜんぜんだめですー」という人の方が素直に音を聞けて
そのあとの伸びしろが大きい気がします。
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