文化の説明は背景あってこそ

先日、後輩の結婚式に出席しました。

お色直しは1回のみ、白無垢から色打掛への和装だけでしたが

お母様がご自身の結婚式でお召しになり、大事に保管されていたものだそうで

とても似合っていて、こちらも見ていて幸せな気持ちになりました。

 

日本の結婚式は、独特のしきたりや慣習があります。

たとえばご祝儀ひとつとっても、海外ではあらかじめほしいものリストを友人に送って

予算にあわせてその中のものをプレゼントするという、合理的なやり方が多いので

(最近はネットでリストが共有されるサービスまであります)

日本のように現金を式場に持参することがありません。

またお色直しもなく、花嫁さんはウェディングドレスでずっと過ごすのが普通。

アジア諸国の習慣にはあまり明るくないのですが

結婚式の話を海外でしようとすると、これらの習慣の違いから説明しなくてはならず

結構大変なことになります。

 

お色直しも、そもそもどうしてそんな習慣ができたのかを知らないといけないのですが

奈良時代頃からのならわしで、白無垢を結婚後3日間着用し

4日目はその嫁ぎ先の家に染まる意味で、色打掛に「お色直し」するという意味だったとか。

現代なら、下手をすると女性の人権を損なうとか言われそうな習慣ですね。(^^;

英語で説明しようとする際、「花嫁が結婚式で衣装を変えること」と言うのは簡単ですが

そのような知識があると、相手の日本に対する興味や理解も深まって

また日本を好きになってくれるので、説明のしがいもあります。

 

S&Sのまち案内(おもてなし)クラスでは、毎回このような内容を扱うので

皆さん知的好奇心から、おもしろいと思ってくださっているようです。

とはいえ日本文化は本当に幅広く、奥も深いので

当たり前と思っていることを英語でどう説明するか、常に意識していないと教材も作れません。

というわけで、この結婚式でも、お色直しや祝儀袋、引き出物、お車代など

英語でどう説明するか、結構考えながら座っておりました。

もはや職業病ですね (^^;

 

ちなみに、お色直しを単純に英語に置き換えるのであれば

bride's wardrobe change などでいいんじゃないかと思います。

さて、その背景をどう説明しましょうか。

前述の日本語を参考に英語で言ってみる練習をしてみると、頭の体操になりますよ。