やさしい日本語にするクセをつけてみる

英語を理解する際のコツとして、先日「きれいな日本語に直さない」というのに触れましたが

逆に英語で話す際のコツとしては、英語の語順を意識するクセをつけるということになります。

私 / 食べます / りんごを / 朝  という順番で単語が出てくるように考えるんですね。

言うは易し、わかります。でも続けていると、だんだんその感覚で英語が出てくるようになりますよ。

 

ただ、その前段階としてもう少し付け加えるとすれば

日本語自体を、なるべく簡単な文章に直す習慣をつけるといいです。

そもそも日本語は、婉曲に、誰にも責任がないような感じで表現するようになっています。

誰が何をする を明確にしないといけない英語とはまったく構造が違うため

何が言いたいのかを一度咀嚼しないと、その意味の英文にならないことが多いんですね。

あと、やたらと難しい言葉や、長い文章も英語に訳しずらいので

言いたいことは平易な単語に置き換え、文章はなるべく区切ってしまうといいです。

 

これは、最近いろいろな地域の自治体や病院、学校などで

外国人の居住者への説明に使われる方法としても取り組んでいらっしゃると聞きます。

オリンピック・パラリンピック準備局でも、同様の取り組みをしていらっしゃいますね。

例えば、「津波警報が発令されている地域では、高台に避難してください」という内容なら

「海から近いところにいる人は、高いところに行ってください」などになります。

これなら、漢語が起源の難しい単語を知らなくても、文章の意図はわかる人が多くなります。

 

この取り組み自体もいいと思いますし

これは何より、英語の勉強をしている方々にとっても、英文にする際の参考になります。

前述の例なら、「津波警報~」の文章だと結構英語にするのにハードルが高くないですか?

でも易しい日本語の方なら、なんとかなりそう。で、十分意味は伝わりますよね。

英語は伝わればよいのですから、これでOK。「避難」なんて単語を覚える必要はありません。

そのためには、日ごろから日本語自体を易しく言い直す練習をしておくと

頭の体操にもなりますし、英語の文章を作るための下ごしらえがうまくなりますよ。

あと、もし旅行の際にスマートフォンなどで翻訳機能を利用されるなら

機械は断然、簡単な日本語のほうが訳の精度が高くなりますので、その際にも役に立ちます。

 

私自身、3つの文字を備え持つ日本語の美しさが大好きですが

それとは別に、コミュニケーションのための「やさしい日本語」がもっと普及すると

外国人の方々だけでなく、日本人の英語力のためにもいいんじゃないかなと思っています。