先週、ニュースを見ていたら
文部科学省が実施した中学生の全国学力テストの結果という話題がやってまして
英語の「話す」の平均正答率が30%で問題だ とかいう論調でした。
ほぉほぉと聞いていたら、話題は書くの正答率が46%という点になり
「彼女はローマに住んでいます という文の答えについて
She lives in Rome. のsが抜けている人が多かった。文法の基礎ができていない証拠。」
というようなことを、どこかの教授がおっしゃっておられました。
日本の英語教育は、私の中学時代、はるか40年前とまったく変わっていないんですね。
私がクラスで言っているのは「sがあるとかないとか、どうでもいいですー」…です。
だって通じるから。
三単現のsがあろうとなかろうと、言っていることは通じる。だからOK。
もし外国人が「私おでん食べたしないです」と言われたとしたら、みなさんどうでしょう?
「あ、おでんたべなかったのね」と思っておわり、意味は分かりますよね。
確かに文法は大事です。より会話をスムーズにします。
でも言語を使うには、それより大事なことがたくさんあります。
クラスで生徒さんに答えて頂いて、例文を出した時に
「あ、a じゃなくて the だった」と言われるのを聴くと、結構悲しくなります。
本当に本当に、大事なことの順番からしたら、そんなことどうでもいいんです。
それより、最低限「誰が、何する、何を」の順番だけを整えて
あとはリズムと音を英語らしく発話すれば、その方がよほどわかってもらえます。
教えている私だって三単現のsを落としたり、前置詞間違えたり、しょっちゅうです。
でも通じてますし、英語が上手だと言われます。
ちなみに、ネイティヴの友人ですら、間違えている時もあります。
そもそも日本人の中で、日本語の助詞を文法的に正しく使えている人が何人いるのでしょうか?
東進ハイスクールの有名な英語講師、安河内先生は、スピーキングのクラスの前に
「三単現のsなんかつけるな!」と叫ぶと聞いたことがあります。
そんなことを気にして話すのが止まるより、言いたいことを言う気持ちの方が大事だと。
こういう方が文科省に行かれたらいいのでしょうが
残念ながら日本の英語教育は、これから20年たっても30年たっても、多分変わらないのでしょうね。
冒頭のニュースを聞いて、改めてそう感じました。
せめてS&Sの生徒さんには、本当の英会話の楽しさをわかって頂きたいと思います。