ことわざは文化が見えます

現在やっている日常会話のクラスの中のひとつで

「The early bird catches the worm.」ということわざがでてきました。

直訳すれば「早起きの鳥は虫を捕まえる」、

鳥にとって虫はごはんなので、日本語での「早起きは三文の得」にあたります。

生徒さんからは「鳥が虫を捕るのが得っていう感じなのが面白い」という声も。

 

ことわざは英語で proverb ですが

ことわざって、その国の文化が出ているものをよく見かけますね。

日本語と英語で、同じ意味を表すのにも出てくるものが違うものがあって

例えば「取らぬ狸の皮算用」

英語では「Don't count your chickens before they are hatched.」

hatch は「孵化させる」なので、「卵が孵る前に鶏の数を数えるな」という言い方になります。

日本だとたぬき、英語では鶏なんですね。

 

「花より団子」も英語では「Bread is better than the song of birds.」

食い気の象徴が日本では団子、英語ではパン

さらに美しいものは日本では花、英語では鳥のさえずりです。

ちなみに、日本語の「花」は桜を意味していると思いますが

そういった日本人ならではの共通認識という点も興味深いです。

 

あと、面白いのは「船頭多くして船山に上る」

これは英語では「Too many cooks spoil the broth.」

spoil は「台無しにする」なので、「コックが多すぎるとスープがまずくなる」

日本は船にたとえて、英語ではコックさん。

なんとなく想像するシーンも違ってきます。

 

日本語のことわざがすべて英語にあるわけではありませんし、

それこそ、文化の違いでことわざ=教訓 にならない内容もあります。

「沈黙は金なり」は、英語でも「Silence is golden.」という言葉で存在していますが

そもそも黙っていない人たちなので、あまり耳にしない気がします。

言葉からそういう違いを見ていくのも、私にとっては楽しい作業です。

 

ちなみに、一番初めの「The early bird catches the worm.」ですが

これには続きがありまして

「But the second mouse gets the cheese.」二番目のネズミがチーズを取る。とは?

ネズミの世界では一番先に出ていくと、ネズミ捕りにひっかかるので

そのあとで出ていった二番目のネズミが得をするということらしいです。

早起きが苦手な人の負け惜しみでしょうねー。

私も night owl=夜更かし で、早起きは苦手なので、二番目のネズミ派です。