クラスの合間を利用して、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに来ています。
日本からは地球の裏側、最も遠い首都です。
今回はパリ経由の便にしましたが、
ロシア上空を飛べないため、北極の上を通ってパリまで14時間と少し、
4時間半ほど待って、再度飛行機でブエノスアイレスまで12時間半と計32時間の旅。
いつもながら泣きそうになるほど遠いですが
無事なんとか到着し、6泊10日を、何の予定も立てずのんびりと過ごしております。
2年半前、パンデミックの直前に結婚式のため訪れたのが前回でしたが
今回来てみて、大きく変わっていたのが貨幣価値でした。
もともとアルゼンチンは経済的に不安定で
政府の公式両替レートと、街中の両替所のレートが大きく違うことがしばしば起こります。
(もちろん街中のほうがお得です)
前回の訪問の際は、比較的政府がコントロールできていて、その差があまりなかったため
カード払い(=公式レート扱い)でも問題なかったのですが
この2年半の間に国際的信用が低下し、またレートの差が大きくなっていて
今回は1ドルが公式147ペソなのに、街中で両替すると285ペソ!
ほぼ倍の金額になっていました。
銀行で両替すると100ドル変えれば14,700ペソなのに、街中では28,500ペソもらえるわけです。
そりゃ観光客は誰だって、面倒でもカードじゃなくて両替して現金で払いますよね。
しかも前回は1ドル60ペソほどだったのに、今回は公式でも147ペソ。
ペソの価値は半分以下になっており、日本の円安どころの騒ぎではありません。
私も久しぶりに、街中の両替所でドルを両替し
びっくるするほどの札束になったペソを目の前に、ちょっとお金持ち気分です。
写真がそれで、300ドル変えたら1000ペソ札で全部くれたこともありますが
こんなことになってしまいました。
しかし同時にインフレも月7%の勢いで進んでいて、物価自体がものすごく上がっているため
以前1,000ペソで食べられた定食が1,500ペソになっていたり
アルゼンチンの人たち、大丈夫かしらと心配になってしまいます。
実際友人に聞くと、やはりもう大変という答えしか返ってこないのですが。
インフレが急激に進んでいるので、貨幣の価値も全く変わっています。
以前の残りで持っていた2ペソ&5ペソの紙幣やそれ以下の硬貨は
今や使用できなくなっていて、帰りに成田でのユニセフ募金箱行きが決定です。
日本で考えれば、物価が上がって10円玉や50円玉が使えなくなるような感じですかね。
想像したことすらないですが、ここではそれが現実。
旅行すると、世界には、自分の当たり前が通じないところがあることを実感します。
ちなみに、現金払いで久しぶりに悩むのが、両替金額の調整です。
余っても日本では両替できない通貨だし、かといってカードで払うのは馬鹿らしいし。
というわけで、毎日残金と為替レートをにらめっこする日々。
昔は旅行中こういう悩みも当たり前でしたが、電子化の今は少々懐かしい気分です。