シニアが働くということ

ゲストを案内していると、本当に想定外の質問が飛んでくるのですが

先日はスペイン人のゲストに、京都のお土産屋さんの前で

「日本では、どうしてこんなにシニアが働いているんだ?」ときかれました。

そのお土産屋さんは、古くからありそうな雰囲気の店で

80代くらいのお母さんが、軒先で豆菓子を勧めていたのですが

確かに、スペインではゼロではないものの

高齢者が店で接客している姿というのはあまり目にしません。

 

日本の平均年齢が高いから?

それも1つの理由でしょうが、日本の平均年齢48.8歳に対しスペインは42.7歳。

65歳以上が全体に占める割合も、日本は29%でスペインは20%。

確かに高齢化という点では日本の方が上ではありますが

それでも他の国との比較に比べたら、とても大きな差には見えません。

(例えばメキシコは、平均年齢29歳、高齢化率7.6%です)

 

思うにやはり、日本人って働くのが好きなんですよね。

スペイン人を始め、ヨーロッパや、私が接点の多いラテンアメリカでは

働くことは懲罰で、休暇の楽しみのためにやっていることなので

もしお金があれば働かないという人が多いです。

ましてやリタイアしてからは、それまでできなかったことを楽しむ。

でも日本人は、健康のために働くという考え方で、やはり真面目。

それが日本の規律のある社会につながっている気がしますが。

 

あとは昨今では、やはり不十分な年金の影響などで

働かざるを得ない方も増えていると聞きますが

少なくとも土産物屋のお母さんは、

毎日店先にいるのを楽しんでいらっしゃるように見えました。

 

…なんてことを瞬時にいろいろ考えながら、言葉をつないで説明。

どんぴしゃの正解というのはなかなか出ない内容だとは思いますが、

どうやらゲストも納得頂いたようで一安心。

私達が疑問に思わない、こんな日常のひとこまでも

外国人にとっては不思議に見える光景があるようです。

またひとつ、私も視点が増えました。

皆さんならどう説明されるでしょうか。

シニア当事者からのご意見も伺ってみたいものです。