外国人旅行者と接していると
時に想像をはるかに超えた質問をされることがあります。
「日本はなぜシニアがこんなに働いているの?」
「みんななぜ電車の中で話をしない?」など
普段、日本人なら当たり前すぎて気にもかけないようなことだったり
「日本には路上生活者はいないのか?」
「なぜ野良犬が道にいない?」(メキシコは野良犬がめちゃくちゃいます)
など、ゲストの国の背景や数値を知らないと答えられないこと。
観光地の説明ができるだけでは、なかなかガイドは務まりません。
日本に来られる方は、食べ物を楽しみにしている人も多いです。
その中で、最近よく聞かれるのが「おまかせ」。
それも、かなり誤解があり
「おまかせを食べたい」というリクエストが来るので
「お寿司やさんでいい?」と聞くと
「ちがう、おまかせが食べたいんだ」
・・・
どうやら、「寿司」「てんぷら」と同じく
「おまかせ」という料理があると思っているようです。
調べてみると、昨年あたりからアメリカやシンガポールなどで
高級日本食店の「OMAKASE」が流行っているらしく
内容をよく見もせずに、それが食べてみたい!と思っている様子。
仕方がないので、おまかせの意味を説明し
改めて寿司がいいのか天ぷらなのか、フレンチでもあるよという提案をしたりします。
一回ではなく、最近ちょくちょくこういう質問に当たりますので
世界的にも「OMAKASE」は認知されつつあるようです。
以前は、寿司と刺身の区別がついていないゲストも多く
いまだに和牛は神戸ビーフしかないと思われています。
日本の食に興味を持って頂けることはとても素晴らしいことなのですが
その本当の内容を知ってもらうという仕事が増えて、それはそれで大変。
ちなみに「おまかせ」、英語でなんと言いましょうか。
答えは簡単、「chef's choice」 日本の洋食系レストランでよく見かけますね。
付け加えるなら
「The chef serves seasonal specialties.」(シェフが旬の料理を出してくれます)
「Usually, Omakase doesn’t have a fixed price.」(普通、値段は決まっていません)
フレンチなどでは「シェフのお任せ」も値段が決まっていることが多いですが
寿司などの和食店は、お任せは値段もお任せ。
もともと、お客さんもお店を信頼してお願いするし
お店側も、ちゃんとしたものを適切な値段で出せば支払ってもらえるという信頼があってこそ。
このあたりの背景も、実はとても日本的だったりします。
次に「OMAKASE」を聞かれたら、このあたりまでちゃんと説明しなくては。