呼吸法の話(2)完全呼吸法

昨日は、3つの呼吸法――肩(鎖骨)式、胸式、腹式呼吸法についてご紹介しました。

ヨガではこの他にもいくつかの呼吸法がありますが、そのうちの一つが「完全呼吸法」です。

完全呼吸法とは、3つの呼吸法とクンバカという止息(しそく)を組み合わせた呼吸法です。

 

 1)鼻から息を吸い込みながらお腹を膨らませ、胸を広げるようにして両肩を後ろにひき、

   そのまま両肩を上げて,喉までいっぱいに空気を入れていきます。

 2)息を1~2秒とめて、体の変化を意識します。

 3)お腹をへこませ、胸をすぼませて、両肩を下げて、すべての息を吐き切ります。

 

完全呼吸法は、呼吸筋や呼吸器官全体をフル活動させて行う、ダイナミックな呼吸法です。

今日のレッスンでも、ウォーミングアップとして、肩式、胸式、腹式の各呼吸法を行ってから、

お腹、胸、肩などの動きを意識しながら、完全呼吸法を行いました。

 

呼吸筋をフルに使うこの呼吸法は、内臓のマッサージ効果も高く、内臓機能の回復や血圧・

心拍の安定、リラックス効果があるとされています。

また、ヨガでは、息を止めることで、プラーナ(生命エネルギーのようなもの)を体の隅々

までいきわたらせて、各細胞を目覚めさせると考えらえています。

 

完全呼吸法は、呼吸量の増大とともに、体全体の活性化と感情の安定をもたらし、心身ともに

健やかな状態に導く呼吸法といえます。

普段ほとんど意識することのない呼吸ですが、完全呼吸法を行うと、自分がどのように息を

出し入れしているのか、呼吸と体の感覚などを、意識化することができます。

 

いろいろな健康法がありますが、呼吸法は、特別な場所も道具も必要ない、手軽かつ身近な

健康法の一つといえます。

ぜひ皆さんも、ご自分の呼吸がどんな呼吸なのか、呼吸に意識を向けるところからでも、

始めてみて下さいね(*^^*)