意外に難しい「力を抜く」こと

ヨガを行っていると、いろいろな発見があります。

そのなかの一つに、「力を抜く」ということの難しさがあると思います。

 

このブログでも、ヨガは呼吸を調整し、深い呼吸に合わせて、「緊張と弛緩」を繰り返す動き

をとることで、余分な緊張を解き、体内の流れを良くし、筋肉をほぐしたり関節を柔らかく

するだけでなく、自律神経のバランスをとるのに役立つというお話をご紹介してきました。

 

この「緊張と弛緩」が、最初の頃は、みなさん、なかなかピンとこないようです。

特に、弛緩――「力を抜く」ということが難しいのですね。

簡単な、肩の上げ下げをしてみても、持ち上げた肩をゆっくり下していくと、まだまだ力が

入っている状態で、自分では「おろし切った」と感じている方は、とても多いです。

 

「力を抜く」コツをつかむために、その前にあえて「緊張」させるということもあるのですが、

その「緊張」も力いっぱい頑張ってしまわれる方が多いです。

ですので、その後に力を「抜き切る」ということが、さらに難しくなってしまうことも・・・

力の入れ加減、抜き加減が、分からなくなってしまっているのですね。

 

 

例えば、自分では何とも思っていないのに、人から「ずいぶん肩がこっていますね」などと

言われた経験はないでしょうか。

私自身も、以前はそうでした(^-^;

肩がこっているなんて、自覚が全くないのです。

あまりにもずっと「こった状態=緊張状態」が続いていて、それがもう普通になってしまって

いるのですね。

そういう場合、力を抜くという感覚も、すっかり忘れてしまっています。

 

こうした状態を、「失体感」といいます。

ヨガでは、この失われてしまった自分の体の感覚を、取り戻していきます。

最初はよく分からなくても、呼吸に合わせて、緊張と弛緩を繰り返し行い、

「これがオンの状態、これがオフの状態」と、しっかり自分自身で感じとっていきながら、

失体感からの脱却を目指します。

 

失体感から脱すると、自分の体の調子が自分で分かるようになっていきます。

 ストレスを感じているな・・・

 これ以上我慢したら良くないな・・・

 力が入りすぎているな・・・

 頑張りすぎているな・・・

 食べ過ぎたな・・・・

こうした自分の体の感覚を取り戻すことが、大病から自分を守ることに繋がります。

 

力の抜き方が上手になると、あらゆる動きに無駄がなくなり、エネルギーの節約にも。

あらゆる動きが機敏に、しなやかになり、気持ちまでも軽くなっていきます。

 

頑張りすぎる現代人には、なかなか難しい「力を抜く」こと。

まずは、いかに自分がずっと力が入った状態でいるかに気づき、そして力を抜いていくことを

意識してみましょう。

息を吐きながら力を抜いて、自分が思っているよりもあとほんの少し、力を抜いて・・・

 

上手な力の使い方を身につけて、メリハリのある生活を送りましょう♪