瞑想の話(3)耳を研ぎ澄ましましょう

瞑想の話の3回目です。

瞑想は難しいものではなく,ものごとを見据えることから始まるというお話をしてきました。

まずは目を閉じて,目から入ってくる情報・刺激を遮断する時間を持つこと。

そして,閉じた目の前に見えているものを見ようとすること。

それによって,集中力や判断力が養われますよ~というお話でした。

 

今日は,瞑想と音のお話を少し。

よく,「瞑想はしてみたいけれど,難しくて無理」という方に理由をうかがうと,

「自分の家では,音がうるさくて」

「完全に邪魔されない時間をみつけるのは無理」

「やっと静かになったと思ったら,外で救急車のサイレンがして,集中が途切れた」

というような意見を耳にします。

 

完全な暗闇はないというのと同じように,完全に無音というのも,実はありません。

はっきりと「〇〇の音」と分かるような音はしなくても,

外からかすかに聞こえる何かの音や,電化製品などから聞こえるジーっという音などが

あるはずです。

 

生活している限り,すべての音を排除するということは,特別な無音空間を作らない限り

不可能なことです。

そして,瞑想は,そんな特別な無音空間でなければできないというものではありません。

 

静かに目を閉じて,その閉じた目の前に見えるものをみるのと同じように,

まずは,自分の意志で,耳を使い,積極的に音を聞くようにしてみましょう。

耳を研ぎ澄まし,いろいろな音が聞こえてくることで,自分の心は落ち着き,集中してくる

と意識するようにします。

 

そうすることで,どのような環境にあっても,目や耳から入ってくる情報や刺激に惑わされずに,

自分自身に集中するということができるようになっていきます。

特別な空間など必要なく,どこででも,「瞑想=ものごとをしっかりと見据える」ということが,

できるようになります。

 

疲労回復や気持ちの切り替え,新しいアイデアが浮かぶなど,いろいろなメリットがあると

いわれている瞑想。

難しく考えずに,まずは,目を閉じて,耳を研ぎ澄まして・・・

1日のうちで,ほんの数分でもいいですから,こうした時間をもつようにしていきたいですね。