今日から7月。今年の折り返し地点ですね!
夏に向かい、だんだんと気温も上がってきて、私たちも気が上へと上がってしまい
ホワ~っとしがちです。
こんな時は、おなかにしっかり力を入れて過ごすように気をつけてみましょう!
よく、何事にも動じないような人を,「あの人は‟はら”の座った人だ」などと
表現することがありますね。
この時の「はら」とは,「肚」であって「腹」ではありません。
この日本語の「肚」にあたるのが,中国の「丹田(たんでん)」という言葉です。
丹田とは,東洋医学の概念で,解剖学的には存在しないのですが,おへそと恥骨を結ぶ
直線の真ん中の奥で,仙骨と腰椎の接骨部から腹部前方に引いた線の中心に位置します。
といっても,「実際にどこ?」という感じですよね。
だいたいの目安として,おへそから指3~4本分,4~5センチくらい下のあたりの奥の方
と言われています。
この下腹部のあたりは,腹筋・腰筋・臀筋・肛門・横隔膜などの筋肉に囲まれています。
ですので,このあたりの中心に位置する「丹田」に意識を置くことで,全身が協力し,
本来の体の機能を無理なく発揮できる状態(正姿勢)になると考えられてきました。
そして,この状態の時には,柔軟で強い心で,すべてのことを「ありのまま」に受け
止めることができ,まさに心身ともに「安定する」とされています。
日本では古来から,武道や芸道の世界で「肚をつくる」とか「肚を練る」ということが
行われてきましたが,その背景にはこの「丹田」の概念があったのですね。
ヨガでも,健康を維持する力や生命力を高めるために,丹田の力を強くするようにします。
ですが,最初から「丹田」と言われてもピンとこないので,私はよく「下腹」とか
「下腹部」という言葉を使用します。
下腹部の筋肉全体に力を入れれば,おのずと丹田は引き締まりますから。
丹田は,心と体を総合的に統一して動かすときの中心点です。
日頃から下腹部に力を入れて,健やかな心身を維持していきましょう!